2011-05-26から1日間の記事一覧

「地域活性化への策」は意外とこんなところに隠れている気がしてなりません。

このようなシステムが出来れば、交通が不便だった山村なども、「足」の心配がなければ、そこでの生活も可能になると思いますし、高齢者の老後の生き様も変えることが出来ると思います。

実は、タクシーも甲府駅や石和温泉駅前などを見ますと、客待ちの列が見られます。JRなど利用の為に、家族に車で送迎してもらう度に、何か申し訳ない思いがいたします。また代行車もよく利用しますが、ドライバーの方との会話でも、タクシーでは15万円稼ぐのは容易ではないと言います。だからバイトですよ、といいます。2種免許があって5年間無違反・無事故なら個人タクシーの免許を与えて、「面的」のようなシステムが投入できないか、問いたいところです。料金も最初の10キロが500円、1キロ増すごとに100円が相当でしょう。

実は、管理さえ行き届けば、このような「足」が、本県にあったなら、山梨県全体が元気になれるだろうと思うわけです。買い物難民、病院へ行くにも儘ならぬ、と言う中で市町村は、町営のバスや市営バスを走らせていますが、どうしても痒いところへ手が届く状態にはならないでしょう。バス会社やタクシー会社に経営してもらえば、会社も新しい切り口の経営が出来るでしょう。

しかし、やがて競争が激しくなり、問題点も露呈し始め、国も管理が難しくなり、「黄虫」(ホエンチョン)という悪口も言われるようになり、おむね10年で終焉しました。

「面的」は、黄色で塗られていて、いわゆるイエローキャブですが、利便性が後押しして1985〜1995年代ごろには10万台以上あったとされます。経営はタクシー会社が、運転手を採用してやるケースと個人(私営)が認められ営業するケースがあり、かなり活気がありました。

一般のタクシーとは違い、農家の方が、収穫された野菜なども大きな背負い籠に入れたものも乗せて、市場に持ち込んだりもしていました。ワンボックスの軽自動車でしたが、後部座席を最後部に下げてあり、運転席と乗客の座席の間は、何でも運べていました。正に生活の足でした。料金も最初の10キロが10元(当時日本円では100円程度)、その後1キロ増すごとに1元(同10円)という安さも利便性が高かったように思います。

こんな時、何時も思い浮かべるのが、中国へ学術交流で頻繁に行っていたときのことです。北京始め中国全土にあったと思いますが、私は主に安徽省合肥市(中国科学技術大学)に赴いていた時に、利用した軽自動車のワンボックス・カーの市民の足「面的」(メンデ)がありました。市中を何台も流していたり、人が集まる市場などには、何台も待機していて、いつなんどきでも、すぐ拾えると言う状況にありました。

読売新聞週末寸言(2011・5・21)で「交通弱者救う足」と題した記事を書きました。本県の場合、自家用車の普及で当たり前の社会が築かれていますが、この要因を考えれば、「鶏が先か卵が先か」の議論になるでしょう。公共のバスや電車ではカバーできない社会になっていますが、この為、免許を持たない、車を持たない、交通弱者にとっては、社会生活が儘ならない事態に置かれています。